こんにちは松村です。
コロナの感染がまた、ジワリと広がってきてますね。
5類相当に引き下げられることが決まっているとはいえ、感染したらしんどいことに変わりはありませんので、感染することがないよう十分に気を付けて過ごしたいと思います。
さて本日は「住宅ローンが残っているマンションを貸すことはできるのか?」というテーマでお送りしたいと思います。
つい先日、まさに上記テーマ通りのご質問を、以前、当方の仲介でマンションを購入されたお客さんからお受けしたんですよね。
で、この点については他にも気になる方が結構、いらっしゃるのではないかと思い、こちらのサイトでも取り上げさせて頂くことにしたわけです。
なるべく端的にポイントを押さえた解説をさせて頂くつもりですので興味のある方は是非とも最後までご覧になって下さいね。
それでは早速、行ってみましょう。
ローンが残っているマンションを貸すことはできる?
まずは結論からズバッとお伝え致します。
原則として住宅ローンが残っているマンションを第三者に貸すことはできません。
住宅ローンは、そもそも自己居住用の住宅を購入するための資金を融通するローン商品だからです。
第三者に貸すということはマンションが自己居住用ではなくなるということですよね。
そのため住宅ローンが残っている状態でマンションを第三者に貸すことはできないという結論になるわけです。
住宅ローンが残っているマンションを住宅ローンを利用している金融機関等に無断で第三者に貸していることが発覚した場合、最悪、住宅ローンの残債全額の一括返済を求められることになりますので十分、注意して下さい。
一括返済を求められることがあるのか。かなりシビアだね。
例外的に貸すことができることも
住宅ローンが残っているマンションを例外的に第三者に貸すことができる場合があります。
それは転勤等でマンションを生活の本拠として利用することが困難になった際に住宅ローンを利用している金融機関に事前相談し、第三者に貸すことについて、その承認を得ている場合です。
なお、この承認については
- 転勤期間が比較的、短く、明確である
- 転勤期間終了後は再びマンションを自らの生活の本拠とすることが確実である
という条件をクリアできる場合に限ってなされることが多いようです。
該当される方は是非、一度、金融機関に相談してみて下さい。
貸せない場合はどうする?
上記例外にあてはまらず、住宅ローンが残っていることが原因でマンションを貸すことができない場合に取りうる選択肢としては以下の3つがあります。
①賃貸物件用ローンに乗り換える
住宅ローンの利用をやめて、第三者に貸すための住宅を購入する際の資金として利用できる賃貸物件用ローンに乗り換えるということです。
そうすれば金融機関の承認などなくとも、自由にマンションを第三者に貸すことができるようになります。
ただし、賃貸物件用ローンは住宅ローンに比べて金利が2~3%程度は高くなりますので、その点は注意が必要です。
2~3%程度などと言うと、それほど、大きな影響はないように感じるかもしれませんが、ローンの金利は複利計算されるため、想像以上に毎月の返済額が大きく増えることがあります。
特にローンの返済開始後、まだ、あまり期間が経っていない場合には毎月の返済額が何万円も増えることになりがちですので、必ず、賃貸物件用ローンへの乗り換え後の毎月の返済額を確認した上で意思決定するようにして下さい。
②マンションを売却する
マンションを第三者に貸すことをあきらめて売却してしまうということです。
おそらく、この記事を読まれている方の多くが「なんとかマンションを売却することを避けることはできないか?」と考えられていることでしょうから、解決策にはなっていないのでしょうが、それでもなお最も現実的な選択肢だと思います。
特に今の時期は(2023年4月現在)マンションを購入価格より高く売却できる可能性が高い好機でもありますので。
実際、私が知る範囲でも転勤期間中、マンションを第三者に賃貸していて、転勤が明けてマンションに戻ってきたものの、なんだか部屋に他人の生活臭が染みついていて「これなら転勤するときに売却しておけばよかった」と後悔される方が多いです。
特別な事情がない限り、そのマンションを所有し続けることに固執する必要はないのかもしれません。
③貸さずに所有し続ける
マンションを第三者に貸すことも売却することもせず、所有し続けるということです。
この選択肢については、さらに以下の2つにケース分けすることができます。
- 空き家にする。
- お父さん(もしくはお母さん)が単身赴任し、残った家族だけで住み続ける。
まず1.の「空き家にする」ですが意外と多くの人が選ばれる選択肢です。
転勤先の社宅費用については会社が全部もしくは大半を負担してくれるという場合であれば、割と選びやすい選択肢なのかもしれません。
マンションの場合、戸建てと違って空き家にしたからといって、家が傷むということも、さほど、ありませんしね。
次に2.ですが、これも転勤期間がたとえば3年などと短く、しかも明確な場合には結構、選ばれる方が多いように思います。
ただし子供さんが小さいうちはできれば避けたい選択肢ですよね。
あと、二重生活になってしまう分、生活費が増えてしまうことも考慮しなければなりません。
マンションの場合、所有し続けることを選択すると住宅ローン以外にも管理費や修繕積立金なんかも負担し続ける必要がある点に注意が必要です。そこまでの経済的負担をしてまでもなお、所有し続けることを選択すべきなのか、慎重に検討して下さい。
素朴な疑問
ここまで読まれて、こんな疑問をお持ちになられた方がいらっしゃるかもしれません。
「住宅ローンが残っているマンションを第三者に貸すことが原則できないことはわかったけど、そもそも勝手にマンションを第三者に貸したとして、そのことが金融機関にバレてしまうようなことがあるのか?」
はい、もっともな疑問です。
所有者本人がちゃんとマンションに住み続けているかについて金融機関が監視しているような様子も特にありませんしね。
この点については金融機関からの転送不要郵便物が配達されずにそのまま金融機関に戻ってきてしまうことが原因でバレてしまうことが多いようです。
マンションを第三者に貸していると当然、表札が変わっているので、転送不要郵便物は戻ってきます。
で不審に思った金融機関が確認をとってみたところ、マンションが第三者に貸し出されていることが判明してしまうということです。
逆に言うと、この問題さえクリアできれば金融機関にバレることは基本的にないのかもしれません。
まあ、100%の確証まではありませんが。
いずれにしてもバレてしまった時のリスクを考えれば、やはり、金融機関に無断で第三者に貸すなどということは絶対にやめておいた方がいいです。
金融機関に事前相談し、その指示にしたがって適切に対応されることを強くおすすめします。
まとめ
- 原則として住宅ローンが残っているマンションを第三者に貸すことはできない。
- 住宅ローンが残っているマンションであっても転勤等でマンションを生活の本拠として利用することが困難になった際に住宅ローンを利用している金融機関に事前相談し、その承認を得ている場合には例外的に第三者に貸すことができる。
- 住宅ローンが残っていることが原因でマンションを貸すことができない場合に取りうる選択肢としては以下の3つがある。
①賃貸物件用ローンに乗り換える
②マンションを売却する
③空き家にするなどといった形で貸さずに所有し続ける - 住宅ローンが残っているマンションを第三者に貸していることがバレてしまう最もよくある原因は金融機関からの転送不要郵便物が配達されずにそのまま金融機関に戻ってきてしまうことである。
マンションを購入する時期というのは大体、30代から40代前半ということが多いと思います。
で、その時期というのは会社勤めをされている方なら、出世を前提にした転勤の辞令が出ることが多く、マンションを購入した途端に転勤で引っ越しを余儀なくされるということが、どうしても起きてしまいがちなんですよね。
まあ万が一、そのようなアクシデントがあったとしても、出世自体は喜ぶべきことであることは間違いないと思いますので、なるべく前向きにとらえて、ご自身とご家族にとってどうするのが最も良い選択なのかを考えて頂きたいと思います。
以上、今回は「住宅ローンが残っているマンションを貸すことはできるのか?」というテーマでお送り致しました。